Band-in-a-Box Windows 版 バージョン32 マニュアル

第7章  リアル素材

リアルトラック

リアルトラックは、スタジオミュージシャンが演奏した数小節分のオーディオデータで構成されています。これらのデータをつなぎ合わせることで、臨場感溢れるトラックが生成されます。

リアルトラック付きスタイル

リアルトラックはスタイルに含まれている場合があります。リアルトラックを最低1つ含む場合、スタイルファイル名の先頭に = が付いています。MIDIトラックはなくてリアルトラックだけを含む場合は、スタイルファイル名の先頭に _ が付き、これをリアルスタイルと呼んでいます。

12の全キーで録音されたリアルトラック

多くのユーザーは、タブ譜を含むノーテーションウィンドウやギターウィンドウで表示しながら、プロの演奏の仕方を学んでいるはずです。しかし、基本的な5つのキーで録音された普通のリアルトラックでは、移調すると難しい奏法になってしまったり、ギターウィンドウでギターベンドやハンマーオン、プルオフ、ギタースライド等が正確に表示されなかったりして、学びにくいことがあります。一方、12の全キーで録音されたリアルトラックは移調の必要がないため、より良い環境下で学ぶことができます。12のキーで録音されたリアルトラックを検索するには、リアルトラックピックウィンドウやマルチピックライブラリのフィルター欄の【#】ボタンを使います。

リアルトラック/リアルドラムアーティスト

リアルトラックやリアルドラムの録音に携わったアーティストの一覧をアーティストブラウザで見ることができます。これは、リアル素材を選択するウィンドウ内のアーティスト欄をクリックすると開きます。

ここでは、各アーティストの経歴や実績を調べたり、演奏した楽器を確認したりできます。

リアルトラックの設定

リアルトラックに関するオプションを設定するには、ツールバーの [リアルトラック] ボタンを押し、表示されるメニューの「リアルトラック設定ダイアログ」を選ぶか、 [Ctrl] キーを押しながらこのボタンを押します。または、ホットキー [R][T][2][Enter]を押します。

リアルトラック機能を有効にする:特に理由がない限り、チェックを入れます。

楽譜の表示・保存:リアルトラックの中には楽譜を表示できるものがあります。この欄では、リアルトラックの楽譜を表示するか、ソングやMIDIファイルの保存時に楽譜を含めるか、等を選択します。

別の場所のリアルトラックフォルダを使用する:リアルトラックフォルダが規定の場所(C:\bb\Drums)ではない場合、その場所をここで指定します。

【照合】:リアルトラックフォルダ(C:\bb\RealTracks)とリアルドラムフォルダ(C:\bb\Drums)にインストール上の間違いがないかを調べます。

【点検と修正】:リアルトラックに必要なST2/XT2ファイルが適切に保存されているかを調べます。リアルトラックフォルダの親フォルダにおいて点検しますが、別のフォルダで調べることもできます。

【不要な+/-ファイルを削除】:バージョン18では、名前に+や-が付いたオーディオファイルが伴奏生成に使用されました。バージョン19以降ではこれらのファイルは不要となりました。バージョン18からバージョンアップして、ハードドライブの領域を増やしたい方はこのボタンを使ってファイルを削除できます。

【デモソング】:リアルトラックのデモソングを開きます。デモソングはC:\bb\Demos\RealTracks – Demo のフォルダに保存されています。

【リアルトラックを選択】:リアルトラックピックウィンドウを開きます。

ボリューム調整:全体的にリアルトラックのボリュームがMIDIトラックと合わない場合、調整します。数値の単位はdB(デシベル)です。

プッシュのボリューム調整:リアルトラックが弾くプッシュのボリュームを調整します。(設定範囲:-127~127) (注釈:リアルドラムトラックのプッシュの調整はリアルドラム設定ダイアログで行います。)

ショットのボリューム調整:リアルトラックが弾くショット/ホールドのボリュームを調整します。(設定範囲:-127~127) (注釈:リアルドラムトラックのブレイクの調整はリアルドラム設定ダイアログで行います。)

クレッシェンドを有効にする:リアルトラックにはクレッシェンドを演奏できるものがあります。(リアルトラックNo.395等) クレッシェンドの演奏を許可するには、このオプションを有効にします。

テンポに合うリアルトラックを自動代用する:有効にすると、選択リアルトラックよりも、現行ソングのテンポにより相応しいリアルトラックがあれば、そちらを代用します。例えばスローなジャズバラードのソングにおいて、テンポ60のリアルトラックを選んだ後にソングのテンポを140に変更すると、140に近いテンポのリアルトラック(同じジャンルのもの)が自動的に選択されます。

テンポに合うリアルトラックがあれば知らせる:有効にすると、自動代用機能を無効にした場合(「テンポに合うリアルトラックを自動代用する」から無効にした場合)でも、現行テンポに相応しいリアルトラックがあれば教えてくれます。その時点で、ツールバーの【リアルトラック】ボタンを押し、表示されるメニューから「現行テンポにもっと合うリアルトラックに変更する」を選択することで代用を実行できます。

伴奏生成完了を待たずに演奏を開始する:リアルトラックはプロミュージシャンの数小節の演奏を録音したオーディオデータでできていて、それらを繋ぎ合わせることでトラックが生成されます。このオプションを有効にすると、トラックが最後まで完全に生成される前に演奏が始まります。普通はこれで何の問題もありませんが、遅いPCでは、完成前に演奏を始めるとオーディオデータの繋ぎ合わせに失敗することがあるので、その場合は無効にしてください。

テンポ伸縮・ピッチ調整技術の水準:トラック生成時に適用するテンポ伸縮・ピッチ調整技術の水準を選択します。普通は「高」にしても問題ありませんが、遅いPCで演奏中に音切れや同期問題が生じるようであれば「低」にしてください。

+/-ファイルを使用する:普通は無効にします。バージョン18までは名前に+や-が付いたオーディオファイルが伴奏生成に使われました。現在はそれらを使う必要はありませんが、遅いPCでこのオプションを有効にすると伴奏生成が速くなる場合があります。

4小節エンディングを生成する:有効にすると、無理のないフェードアウトになるよう、2小節分ではなく4小節分エンディングが生成されます。このオプションをソング単位で上書きするには、現行ソングの設定ダイアログのオプションを使います。(注意:選択リアルトラックが4小節エンディングの生成に対応するとは限りません。)

リバーブを適用する:有効にすると、リアルトラックにリバーブがかかり、ますます臨場感あふれる演奏を実現できます。「適用度合」を指定することもできます。殆どのトラックの場合、リバーブの数値は40ですが、適用度合を75%にすると、数値は30(40の75%)となります。

ショット/ホールド/プッシュを尊重する:有効にすると、リアルトラックはコードに付けたショット、ホールド、プッシュに従います。ただし、これはコードにピリオドやキャレットが付いており、且つ、リアルトラックピックウィンドウの「S/H/P」の列に○が付いているリアルトラックを選んだ場合に適用されます。
ジャズのリアルトラックはジャズ装飾する(トライアド→7th):ジャズのリアルトラックにトライアドコードを7thコードとして演奏させるには有効にします。すると、例えばCはCMaj7として弾かれます。ジャズ装飾せずそのままトライアドコードとして演奏させるに無効にします。

MIDIスタイルのソングを開く時、代用リアルスタイルを開く:有効にすると、MIDIスタイルを含むソングを開くと、可能であれば、MIDIスタイルの代わりにリアルスタイルが自動的に開きます。リアルスタイルを開いた後に元のMIDIスタイルに戻したければ、ツールバーの【リアルトラック】ボタンを押し、「リアルスタイル代用前のMIDIスタイルに戻す」を選びます。代用を自動的に行いたくなければ無効にし、ツールバーの【リアルトラック】ボタンを押して、「MIDIスタイルのソングを開く時、リアルスタイルの代用を促す」を有効にします。すると、MIDIスタイルを含むソングを開く際、可能であればリアルスタイルの代用を促されます。(このオプションは現行ソングの設定ダイアログを使ってソング単位で上書きできます。)

VST/DXシンセサイザーやオーディオエフェクトをソングと共に開いたり保存する:VST/DXシンセサイザーやオーディオエフェクトをソングと共に開いたり保存するには有効にします。

MIDIトラックに合わせてボリュームを控える:普通は有効にします。しかし、リアルトラックをオーディオファイルに変換する際に元のボリュームを維持したければ無効にします。

フレーズ間を自動的に埋める:有効にすると、自然な演奏になるようフレーズとフレーズの間が自動的に埋まります。このオプションは個々のリアルトラックの設定(ソリストメーカーのリアルトラックソリスト追加設定ダイアログ)によって上書きできます。

【初期設定】:ダイアログのすべてのオプションを初期状態に戻します。

【設定を更新】:ダイアログを開いたまま、新しい設定を適用します。

リアルトラックの選択

リアルトラックを含むスタイルを選択すると、リアルトラックによってトラックが生成されますが、スタイルに含まれているリアルトラックとは別のものを選択したり、リアルトラックを含まないスタイルでもリアルトラックを使用したりできます。これは、マルチピックライブラリ、またはリアルトラックピックウィンドウを使って行います。この2つは似ていますが、マルチピックライブラリでは他の素材の選択やトラックの部分的生成を行うこともできます。

マルチピックライブラリを使う場合は、ツールバーの【マルチピックライブラリ】ボタン、[F7]キー、[M][Enter]キーのいずれかを使ってウィンドウを開き、【リアルトラック】タブを押します。リアルトラックピックウィンドウを使う場合は、ツールバーの【リアルトラック】ボタンか、[R][T][Enter]キーを使います。

注釈:編集メニュー>個別ウィンドウでなくマルチピックライブラリを開く が有効の場合、リアルトラックウィンドウはマルチピックライブラリで開きます。マルチピックライブラリでは、全タイプの素材の選択やトラックの部分的生成が可能で、さらにウィンドウを開いたまま他の作業を並行して行うこともできるため、こちらのご利用を推奨します。

左上部で宛先トラックを選択し、そのトラックに割り当てるトラックをリストから選択します。

リアルトラックは、オーディオデモで試聴できます。聞きたいリアルトラックをクリックし、【デモ】ボタンを押します。【+】ボタンのメニュー内の「ダブルクリックしたらオーディオデモでなくソングで試聴する」からチェックが外れている場合は、リスト内のリアルトラックをダブルクリックすることで、デモを再生できます。デモは、初期設定ではバンド(選択リアルトラック+他のリアルトラック)が先に再生され、続いてソロ(選択リアルトラックだけ)が再生されます。この順番を逆にしたければ、【+】ボタンのメニュー内の「デモボタンを押したらバンドを先に再生する」からチェックを外します。また、【デモ】ボタンの代わりに、【ソロ】または【バンド】ボタンを使ってデモを再生することもできます。

注釈:オーディオデモにはWindowsに標準装備されているWindows Media Playerが使用されます。お使いのコンピュータでWindows Media Playerが無効になっていたりインストールされていなかったりする場合は Microsoft のサポートサイト等を参考にして有効にするか再インストールしてください。

リアルトラックのリストは、フィルター欄を使って、特定の文字やジャンル、楽器、拍子、リズムのノリ等で表示を絞り込めます。
リストは、列の見出しをクリックすることで並べ替えができます。

  「タイプ」の列には、演奏のタイプ (リズム、ソロ、バック) が表示されます。
「ノリ」の列には、リズムのノリが表示されます。 ev8はイーブン8ビート、ev16はイーブン16ビート、sw8はスウィング8ビート、sw16はスウィング16ビートを示します。
「テンポ」の列には、録音時のテンポが表示されます。
「ジャンル」の列には、ジャズやロック、ポップ、カントリー等が表示されます。
「なし」の列になしと表示されるリアルトラックは付属していない(インストールされていない)ため、使うことはできません。 (使うことはできなくても、オーディオデモを試聴することはできます。)
「セット」の列では、リアルトラックがどのセットに含まれているかを確認できます。また、動画作成の可否も確認できます。
「楽譜」の列では、楽譜表示の可否を確認できます。楽譜を表示できる場合はN、ギターのタブ譜も表示できる場合はGtが付いています。
「アーティスト」の列には、演奏者の名前が表示されます。
「T」の列では、テンポに基づく代用が可能なリアルトラックには○が表示されます。
「S/H/P」の列では、ショット/ホールド/プッシュに対応する場合、数字が表示されます。ただし、対応しても適切なファイルがインストールされていない場合は数字の後ろに×が付きます。未対応の場合は何も表示されません。
「シンプル」の列では、シンプル版を持つリアルトラックにはs が表示されます。 シンプル版は、難しいリズムや高度なコード装飾を取り入れず、控え目に演奏します。
「ダイレクト」の列では、ダイレクト入力版を持つリアルトラックにはyが表示されます。 ダイレクト入力とは、ギターアンプ等のエフェクトを含めないでリアルトラックを録音したという意味で、お手持ちのギターアンプシミュレータープラグインを使ってサウンドを構築できます。
「ステム」の列では、の列では、複数の楽器で作成されたリアルトラックに含まれている楽器の数を確認できます。 そのようなリアルトラックを選択する際、楽器の読み込み方法を選択できます。例えば、全楽器を1つのトラックに、全楽器を別々のトラックに、特定の楽器を別々のトラックに、といった読み込み方ができます。 楽器を別々のトラックに読み込むことで、ボリュームやパン等の設定が可能になります。
参考:C:\bb\Documentation\Tutorials\Tutorial - BB2023 のフォルダに RealTracks Stems - Crooner Jazz Horn Section stems.SGU という、ステムを備えたホーンセクションリアルトラックのデモソングが保存されています。このソングを開くと、10個のステムと全ステムを合わせたミックスステムが合計11のユーティリティトラックに読み込まれます。ミキサーウィンドウでステム毎にボリュームやパン等をコントロールしたり、【M】や【S】ボタンを使って特定のステムだけを聞いたりすることができます。)

メモ欄には、リストで選択されているリアルトラックの特徴等が表示されます。アーティスト経歴欄には、リストで選択されているリアルトラックを演奏したアーティストの経歴や実績等が表示されます。ユーザーメモ欄では、リストで選択されているリアルトラックに対してメモを追加できます。
【設定】ボタンを押すと、現行トラックに対するオプションを設定できます。

 

「タイムベース」では演奏速度を設定します。ダブルタイムはスローなソングでかなり速いリアルトラックを選ぶ際に適切です。ハーフタイムは速いソングでかなりスローなリアルトラックを選ぶ際に適切です。トリプルタイムはスローな4/4拍子のソングで速い3/4拍子のリアルトラックを選ぶ際に適切です。(例えばテンポ70のソングでテンポ140のサックスソロを選ぶ際、「ダブルタイム」に設定します。) タイムベース調整後のテンポがソングのテンポと同じでなくても大丈夫です。例えばソングのテンポが150で、テンポ70のリアルトラックを選んでハーフタイムにすると、自動的にテンポ伸縮機能が働きます。

「ブルージー」を有効にすると、メジャートライアドコードを7thコードとして扱うトラックが生成されます。このオプションはソロタイプのリアルトラックに適用します。

「シンプル」を有効にすると、コードを難しく装飾しないトラックが生成されます。例えばC7コードはC13やC7b9として弾かれません。(このオプションはリストの「シンプル」の列にsが表示されるものに対して選択できます。)

「ダイレクト」を有効にすると、エフェクトのないリアルトラックでトラックが生成され、お手持ちのギターアンプシミュレータープラグインを使ってサウンドを構築できます。(このオプションはリストの「ダイレクト」の列にyが表示されるものに対して選択できます。)

「ホールド」を有効にすると、コードをホールドするシンプルなトラックが生成されます。(このオプションは「S/H/P」の列に数字が表示されるものに対して選択できます。)

【メドレー】ボタンを押すと、同じトラックに複数のリアルトラックを使って同時演奏またはメドレー演奏させることができます。このダイアログでは、メドレータイプのリアルトラックがどのリアルトラックを使うのかの確認もできます。

リアルトラックを選択したら、【適用】、【生成】、【部分生成】のいずれかのボタンを押します。

  • 【適用】:選択したリアルトラックを宛先トラックに適用します。ただし、トラックは生成しません。
  • 【生成】:選択したリアルトラックを宛先トラックに適用すると同時に、トラック全体を生成し、現行位置(コードシートの現行セル)から演奏します。また、[Shift]キーを押しながらこのボタンを押すと、トラック全体が生成され、トラックの最初から演奏されます。
  • 【部分生成】:選択したリアルトラックを使って、トラックの特定範囲を生成します。ボタンを押すと小さなパネルが開くので、範囲を小節単位または小節/拍/ティック単位で指定し、【この範囲に生成】ボタンを押します。

最適リアルトラックの選択

現行スタイルに適したリアルトラックを検索できます。これには、マルチピックライブラリ、またはリアルトラックを選択 ダイアログを使います。どちらを使ってもかまいませんが、マルチピックライブラリでは、宛先トラックの選択、リストの並べ替え、トラックの部分的生成等が可能で、さらにウィンドウを開いたまま他の作業を行うこともできるため、こちらのご利用を推奨します。

1. マルチピックライブラリを使う場合

ツールバーの【マルチピックライブラリ】ボタン、[F7]キー、[M][Enter]キーのいずれかを使ってウィンドウを開き、【リアルトラック】のタブを押します。そして、最適ボタンを押し、表示されるメニューから「現行スタイルに最適なリアルトラック」を選択します。特定のタイプ(ソロ/バック/リズム)のリアルトラックを検索したい場合は、メニューから「現行スタイルに最適なソロタイプのリアルトラック」等を選択します。すると、現行スタイルに適したリアルトラックがリストに表示されるので、オーディオデモの試聴等を活用しながらリアルトラックを選択します。

豆知識:「リズムタイプのリアルトラック」とは、リズムを奏でるリアルトラックのことです。このタイプには、ベース、ギター、ピアノ等が多く見られます。「バックタイプのリアルトラック」とは、旋律的なフレーズをバックで奏でるリアルトラックのことです。このタイプには、フィドル、ハーモニカ、ペダルスチール等が多いです。中には完全なソロではありませんが、ソロとして使えるものもあります。「ソロタイプのリアルトラック」とは、ソロを奏でるリアルトラックのことです。このタイプには、サックス、トロンボーン、トランペット、クラリネット等が多いです。。

2. リアルトラックを選択 ダイアログを使う場合

画面上部またはミキサーウィンドウのトラックボタンを右クリックし、表示されるメニュー内の「リアルトラックを選択(…タイプから)」を使います。ダイアログが開き、現行スタイルに相応しいリアルトラックが表示されます。現行スタイルのリズムのノリ、ジャンル、テンポ、拍子と同じものから順に並んでいます。例えば、現行スタイルがテンポ60のジャズスウィングバラードの場合、テンポ60のジャズスウィングのリアルトラックが上の方に、速いヘビメタのリアルトラックが下の方に表示されます。オーディオデモの試聴等を活用しながらリアルトラックを選択します。

代理リアルトラックの選択

ミュージシャンは、バンドメンバーの代理を探さなければならない状況にしばしば直面します。Band-in-a-Boxでは、現在選択しているリアルトラックの代理となるリアルトラックを、ジャンルやリズムのノリ、テンポ、拍子が似ている候補の中から見つけることができます。代理リアルトラックを採用することで、アレンジに新鮮さを加え、さまざまなサウンドを楽しむことができます。

代理は、マルチピックライブラリ、または代理リアルトラックの選択ダイアログを使って探すことができます。どちらを使ってもかまいませんが、マルチピックライブラリでは、宛先トラックの選択、リストの並べ替え、トラックの部分的生成等が可能で、さらにウィンドウを開いたまま他の作業を行うこともできるため、こちらのご利用を推奨します。

1. マルチピックライブラリを使う場合

ツールバーの【マルチピックライブラリ】ボタン、[F7]キー、[M][Enter]キーのいずれかを使ってウィンドウを開き、【リアルトラック】のタブを押します。そして、最適ボタンを押し、表示されるメニューから「最適な代理:選択リアルトラック」を選びます。すると、トラックに現在選択されているリアルトラックに最適なリアルトラックがリストに表示されます。



2. 代理リアルトラックを選択 ダイアログを使う場合

画面上部またはミキサーウィンドウのトラックボタンを右クリックし、表示されるメニューから リアルトラックを選択>代理リアルトラックを選択 を選びます。すると、リアルトラックに適した代理リアルトラックを表示するダイアログが開きます。ダイアログの右にある「リズム」、「バック」、「ソロ」等のチェックボックスを使って、リストの表示を絞り込むことも可能です。オーディオデモの試聴等を活用しながらリアルトラックを選択します。

リアルトラックで部分的トラックを生成

リアルトラックを使って、特定のトラックの特定の範囲を生成できます。この機能には、次の4つの方法があります。
1. マルチピックライブラリで生成する。
2. 最高20のフレーズの候補を試聴しながら生成する。
3. コピー・切り取り・貼り付け等の編集機能を併用しながら生成する。
4. ウィンドウを何も開かずに生成する。

1. マルチピックライブラリで生成

マルチピックライブラリを使うと、オーディオデモの試聴やリストの並べ替え等を活用しながら、部分的にトラックを生成できます。

ツールバーの【マルチピックライブラリ】ボタン、[F7]キー、[M][Enter]キーのいずれかを使ってウィンドウを開き、【リアルトラック】のタブを押します。

まず、宛先トラックとそのトラックに適用するリアルトラックを選択します。そして、【部分生成】ボタンを押します。小さなパネルが開くので、範囲を小節単位または小節/拍/ティック単位で指定し、【この範囲に生成】ボタンを押します。


2. 最高20のフレーズ候補を試聴しながら生成

[F8]キーを押します。ダイアログが開くので、生成先トラック、使用するリアルトラック、生成範囲を選択します。リアルトラックは、トラックの全体に選択されているものでも、それとは別のもの(代替リアルトラック)でも使用できます。例えば、全体的にはマンドリンのリアルトラックが選択されているトラックで、特定範囲ではペダルスチールのリアルトラックを使って生成するといったことが可能です。

必要に応じてその他のオプションを設定したら、【フレーズを生成】ボタンを押します。初期設定では、フレーズが生成されるとすぐに試聴できます。

複数のフレーズを生成したら、【前のフレーズ】【次のフレーズ】を使って戻ったり進んだりできます。また、初期設定では、トラック内の既存のフレーズは新しいフレーズで書き替えられますが、オプションで既存のフレーズに新しいフレーズを重ねることも可能です。

気に行ったフレーズが見つかったら、【採用】ボタンを押します。その後、別の範囲での生成を続けることもできます。

 

トラック:生成先トラックを選択します。既にリアルトラックが選択されているトラックでも、まだ選択されていないトラックでもどちらでも可能です。
【リアルトラックを選択】:左に表示されているトラック全体に対するリアルトラックを選択します。
代替リアルトラック:トラック全体に選択されているリアルトラックとは別のものを特定範囲での生成に使えます。例えば全体的にはマンドリンのリアルトラックが選択されているトラックにおいて特定範囲ではペダルスチールのリアルトラックを使って生成できます。
【代替リアルトラックを選択】:トラック全体に選択されているリアルトラックとは別のものを特定範囲での生成に使うにはこのボタンを押します。
【×】:代替リアルトラックの選択を取り消します。生成にはトラック全体に選択されているリアルトラックが使用されます。
空白:有効にすると、選択範囲に空白が生成され、その部分に既に生成されていたリアルトラックは削除されます。空白を生成することで、乱雑になってしまったトラックの整理やトレードソロ(ソロの掛け合い)の作成等ができます。
生成範囲の指定:開始小節と小節数を指定しながら範囲を設定するには「小節で指定」を選択し、コーラス、小節、小節数を指定します。範囲はティック単位で細かく指定することもできます。例えば、開始微調整に60を入力して、指定小節から60ティック(半拍分)後から生成できます。「位置で指定」を選択する場合は小節.拍.ティックの形式で入力します。【拍に吸着】は範囲が最寄りの拍に吸着するように設定します。【更新】ボタンは入力した範囲がプログラムに確実に認識されるようにします。
少し前から生成する:有効にすると、選択範囲の1拍か2拍前からフレーズが生成されることがあります。
余分の拍を生成する (ソロ用) :現実のソロのフレーズは1拍長く演奏するのが普通です。このオプションを有効にすると、例えば生成範囲を第1小節~第4小節に設定した際、第5小節の1拍目までの範囲にフレーズが生成されます。
既存のフレーズを上書きする:有効にすると、選択範囲の既存のフレーズは新しく生成されるフレーズで上書きされます。無効にすると、既存のフレーズは新しいフレーズと併合されて両方が聞こえることになります。
異なるフレーズの生成:選択範囲において一度生成されたフレーズをどの程度再利用するかどうかを設定します。
演奏の操作:【演奏】ボタンは指定範囲の1小節前から演奏を開始します。【全トラックを生成】ボタンは現行トラックだけでなく他のトラックもすべて生成します。フルバンドの演奏を聞くことができます。「自動的に演奏する」を有効にしておくと、【フレーズを生成】、【前のフレーズ】、【次のフレーズ】、【元のフレーズ】のボタンを押した際、生成されたフレーズをすぐに聞くことができます。
部分的リアルトラックの生成:指定した範囲にフレーズを生成するには、【フレーズを生成】ボタンを押します。フレーズは最高20個生成できるので、気に入ったフレーズができるまでボタンを押し続けることができます。複数を生成したら、【前のフレーズ】、【次のフレーズ】のボタンを使って前のフレーズに戻ったり次のフレーズに行ったりできます。この欄ではフレーズが今までにいくつ生成されて何番目が表示されているかを確認できます。例えば、フレーズ3/5は5個のフレーズが生成されて3番目が表示されていることを示します。各フレーズに対して簡単なメモを追加することもできます。例えば評価点やコメント等を付けると選択時の目安になるでしょう。現行のフレーズが気に行ったら【採用】ボタンを押してトラックに固定します。【元のフレーズ】ボタンはダイアログを開く前のフレーズまたは採用ボタンを押す前のフレーズに戻します。【戻す】ボタンはダイアログを開く前、またはトラックを切り替える前、または採用ボタンを押す前に戻します。フレーズは常に新しいものが生成されるようになっていますが、データベースには限界があり、何度も生成するうちにネタに行き詰ることがあります。そこで、【忘れる】ボタンを押すことで、選択範囲において生成したフレーズを忘れてデータベースのすべてのネタを使って自由にフレーズを生成できます。

3. コピー・切り取り・貼り付け等の編集機能を併用しながら生成

コピー・切り取り・貼り付け等の編集機能を併用したり、オプションを設定したりしながら、部分的にトラックを生成できます。

[Alt]+[F8]キーを押すとウィンドウが開くので、宛先トラック、適用するリアルトラック、生成範囲を設定し、【OK-生成】ボタンを押します。

 

トラック:生成先を選択します。
【S】:現行トラックのソロの状態を切り替えます。大文字のSはソロの状態、小文字のsはソロでない状態を意味します。
【リアルトラックを選択】:トラック全体に対するリアルトラックを選択します。
代替リアルトラック:トラック全体に選択しているリアルトラックとは別のリアルトラックを特定範囲の生成に使用できます。例えば全体的にはマンドリンのリアルトラックが選択されているトラックにおいて特定範囲ではペダルスチールのリアルトラックを使って生成できます。
【代替リアルトラックを選択】:トラック全体に選択しているリアルトラックとは別のもの使って特定範囲を生成するには、このボタンを押します。
【×】:代替リアルトラックの選択を取り消します。
範囲を小節単位で指定:有効にすると、生成範囲を小節単位で指定できます。無効にすると、生成範囲を小節/拍/ティック単位で細かく指定できます。
生成範囲:数値をタイプするか、ボタン [<][<<][>][>>] を使って範囲を指定します。
【更新】:コードシートやオーディオ編集ウィンドウ等の選択範囲を「生成範囲欄」に反映されます。
【コピー】:選択範囲に生成されたフレーズをクリップボードにコピーします。
【切り取り】:選択範囲に生成されたフレーズを切り取ってクリップボードにコピーします。
【削除】:選択範囲に生成されたフレーズを削除します。その範囲以降に生成されたリアルトラックは前にずれます。
【挿入】:選択範囲に空白を挿入します。その範囲に生成されたフレーズは後ろにずれます。
【消去】:選択範囲に生成されたフレーズを消去します。 その部分は空になります。
【上書き貼り付け】 クリップボードにコピーされているフレーズを選択範囲に貼り付けます。宛先に既存するフレーズは上書きされます。
【併合貼り付け】 クリップボードにコピーされているフレーズを選択範囲に貼り付けます。宛先に既存するフレーズは維持され、クリップボードからのフレーズと併合されます。
【相対貼り付け】:クリップボードにコピーされているフレーズを相対的に選択範囲に貼り付けます。例えば、ある小節の2拍目からコピーされたフレーズは宛先小節の2拍目に貼り付けられます。
【数回貼り付け】:クリップボードにコピーされているフレーズを指定回数で選択範囲に貼り付けます。宛先に既存するフレーズは上書きされますが、[Shift]キーを押しながらボタンを押した場合は既存のフレーズは維持され、クリップボードからのフレーズと併合されます。
【やり直す:最後に行った操作をやり直します。 どの操作を最後に行ったかは編集メニュー>やり直す で分かります。
【元に戻す】:最後に行った操作を元に戻します。 どの操作を最後に行ったかは編集メニュー>元に戻す で分かります。
【OK - 生成】:選択範囲に部分的リアルトラックを生成します。
【オプション】:部分的生成のオプションを選択するダイアログを開きます。

 

少し前から生成する:有効にすると、範囲の1拍か2拍前位からフレーズが生成されます。
余分の拍を生成する(ソロ用) :ソロのフレーズは1拍後で終えるのが普通です。このオプションを有効にすると、例えば4小節のフレーズを生成する際5小節目の1拍目までの範囲に生成されます。
既存のフレーズを上書きする:有効にすると、選択範囲の既存のフレーズは新しく生成されるフレーズで上書きされます。無効にすると、既存のフレーズは新しいフレーズと併合されて両方が聞こえることになります。
自動的に演奏する:有効にすると、フレーズが生成されると自動的に演奏されます。
異なるフレーズの生成:選択範囲において一度生成されたフレーズをどの程度再利用するかを設定します。
【今までに使ったフレーズを忘れる】:フレーズは常に新しいものが生成されるようになっていますが、データベースには限界があり、何度も生成するうちにネタに行き詰ることがあります。そこで、このボタンを押すことで選択範囲において生成したフレーズを忘れ、データベースのすべてのネタを使って自由に生成できます。


4. ウィンドウを何も開かずに生成

[Ctrl]+[F8]キーを押すだけで、コードシートで選択されている範囲にリアルトラックを生成できます。

例えば、ギタートラックに生成されたリアルトラックの第9小節から4小節分が気に入らないとします。そこで、ミキサーウィンドウでギタートラックを選択し、コードシートで第9小節から第12小節の範囲を選択します。範囲の選択は、オーディオ編集ウィンドウやノーテーションウィンドウで行うことも可能です。そして、[Ctrl]+[F8]キーを押します。すると、選択範囲が再生成されます。もし、それも気に入らなければ、納得するまで [Ctrl]+[F8]キーを押して繰り返し生成できます。

 

リアルトラックメドレー

リアルトラックメドレーの使い方は3つあります。

[使い方1] リアルトラックメドレーが組み込まれたスタイルを使用する

スタイルの中にはメドレーが組み込まれているものがあります。スタイルピックウィンドウのフィルター欄に「メドレー」とタイプすると、メドレーが組み込まれたスタイルを探すことができます。

[使い方2] メドレーが組み込まれたリアルトラックを選択する

リアルトラックの中にはメドレーが組み込まれているものがあります。リアルトラックピックウィンドウのフィルター欄に「メドレー」とタイプするか、メドレーが組み込まれているリアルトラックを探すことができます。

[使い方3] 自分でメドレーを作成する

まず、リアルトラックピックウィンドウでメドレーの最初の部分にあたるリアルトラックを選び、 [メドレー] ボタンを押します。 リアルトラックメドレーダイアログが開きますので、メドレーの2番目以降に使うリアルトラックと交替頻度を選択します。オプションで、リストの2番目からメドレーを始めるようにしたり、交替でなくすべて同時に演奏することもできます。リアルトラックとオプションを選択したら、 [OK] ボタンを押します。

リアルトラックの交替頻度:リアルトラックをどの頻度(数小節毎、コーラス毎、パートマーカー毎)で交替するかを指定します。
すべて同時に演奏する:有効にすると、交代ではなく、すべて同時に演奏します。賑やかな演奏になります。リアルトラックメドレーというより、マルチリアルトラックです。
リストの2番目から始める:有効にすると、メドレーはリストの2番目に選択されているリアルトラックから開始します。有効にし、2番目を<休み>に設定するとソングは「リアルトラックなし」から始まりますので、ユーザーがリードする、といった使い方ができます。
メドレーに使うリアルトラック:各列の▼ボタンを押し、リアルトラックを選択します。<休み>を選ぶと、交替の間に休みを取り入れてユーザーの出番を設けることができます。右端の入力欄は各リアルトラックのボリュームを調整する為のものです。
[複写]: このボタンは「すべて同時に演奏する」を有効にした際に押すことができます。最上段で選択したリアルトラックを他の段に入力します。
db調整:各リアルトラックに対してボリュームを調整することができます。
パン:各リアルトラックに対するステレオ定位を設定します。

[厚みのあるマルチリアルトラック]

マルチリアルトラック機能を使用する際、サブトラックにパンを設定することで厚みを持たせることができます。まず、最上段でリアルトラックを選択します。そして、「すべて同時に演奏する」を有効にします。続いて、 [複写] ボタンを押します。複写数を問うダイアログが開きますので、目的の数入力します。最後に、各サブトラックに対してパンを設定し、 [複写] ボタンを押します。

この図では、サブトラックが5個用意されています。選択リアルトラックは混声3部ボーカルですので合計15部になりました。各サブトラックにパンが設定され、厚みのある伴奏を得ることができます。

豆知識:C:\bb\Documentation\Tutorials\Tutorial – BB2020のフォルダには、パンが設定されたマルチリアルトラックを含むデモソングが保存されています。ツールバーの [開く] ボタンを使ってデモソングを開き、聞いてみてください。
豆知識:スタイルピックウィンドウまたはマルチピックライブラリウィンドウ[スタイル]では、文字フィルター欄に「厚み」と入力すると、パンが設定されたマルチリアルトラックを含むスタイルを探すことができます。
豆知識:リアルトラックNo.3552~3555はパンが設定されたマルチリアルトラックです。リアルトラックピックウィンドウでマルチリアルトラックを選択し、【メドレー】ボタンを押すと、どんなパン設定が行われているかを調べることができます。

7つのバリエーショントラックを生成

同一リアルトラックを使って、7つのトラック(全体または指定範囲)を作成することができます。

この機能を使うには、トラックボタンを右クリックし、メニューのリアルトラックを選択>7つのバリエーショントラックを生成 を使います。

注釈:トラックボタンを右クリックした際に表示されるメニューの「各バリエーショントラックの前後に余裕を持たせる」を有効にしておくと、生成範囲に先行する音が確かに含まれるよう、フレーズの頭の部分に小節が追加されます。生成範囲の最後からはみ出る音がない限り、フレーズの最後の部分に小節は追加されません。

現行スタイルに相応しいリアルトラックを表示するダイアログが開きますので、リアルトラックを選択し、 [OK] ボタンを押します。

すると、範囲を選択するダイアログが開きますので、ソング全体に生成するか特定範囲に生成するかを決め、 [OK] ボタンを押します。

豆知識:指定範囲に生成する場合、予めコードシートで範囲を選択しておくと、その範囲が自動的にダイアログに入力されます。

数秒後、トラックが生成され、画面上部のトラックボタンには選択リアルトラックの名前と数字(1~7)が表示されます。

生成されたトラックはオーディオファイル(.WAV)として\bb\DragDrop のフォルダに保存されます。

ドロップステーションのボタンをドラッグしてエクスプローラやDAWにドロップすると複数のトラックが作成されます。

生成された各トラックのボリュームやパン等はミキサーウィンドウで調整できます。   

リアルドラム

リアルドラムは、スタジオミュージシャンが演奏した数小節分のオーディオデータで構成されています。これらのデータをつなぎ合わせることで、臨場感溢れるトラックが生成されます。

リアルドラム付きスタイル

リアルドラムはスタイルに含まれている場合があります。そのようなスタイルのファイル名の先頭には - が付いています。

リアルドラム設定

リアルドラムに関するオプションを設定するには、ツールバーの [リアルドラム] ボタンを押し、表示されるメニューの「リアルドラム設定ダイアログ」を使うか、 [Ctrl] キー を押しながらこのボタンを押します。 または、ホットキー [R][D][2][Enter] を押します。

リアルドラム使用を有効にする:リアルドラムの切り替えは演奏中でも可能ですので、ソングを聞きながら違いを比較することができます。切り替えはホットキー[Ctrl]+[Shift]+[F6]を使って行うこともできます。

途中でリアルドラムを変えてもよい:有効にすると、マルチスタイル使用に伴うリアルドラムの変更や、現行小節の設定ダイアログで設定したリアルドラムの使用・変更が可能になります。

リアルドラムに適用するリバーブ:リアルドラムには自動的にリバーブが適用されますが、ここで、その値を設定することができます。初期設定は50です。リバーブを適用したくなければ0にします。

開発者モード:リアルドラムを作成していて、デバッグ情報を見たければ有効にします。

同期再生調整:リアルドラムとMIDIトラックの同期再生が実行されていなければ調整します。

ボリューム調整:リアルドラムのボリュームがMIDIトラックと合わなければ調整します。

プッシュのボリューム調整/ショットのボリューム調整:リアルドラムのプッシュやショットのボリュームが他のトラックと合わなければ調整します。

MIDIドラムでなくリアルドラムを使用する:使用条件を指定し、スタイルにMIDIドラムが組み込まれていてもリアルドラムを使うようにすることができます。

リアルドラムがなければ他のリアルドラムを使用する:使用すべきリアルドラムが見つからない場合、他のリアルドラムで代用することができます。

ブラシかスティックの優先:ブラシかスティックを優先的に使うことができます。

特別アーティスト:リアルドラムの中には同じ名前でも #1が付いていて、特別アーティスト Terry Clarke が演奏するものがあります。このオプションを使って、Terry Clarke が演奏するリアルドラムをどの頻度で代用するかを設定します。「常に限定する」は例えば JazzBrushesSticks をいつでも JazzBrushesSticks#1 で代用します。

代用の際、演奏毎にバリエーション(^)を選択する:リアルドラムの中にはドラムの叩き方を変えるものがあります。名前に^(キャレット)が付いているものがそうです。このオプションを有効にすると、バリエーション付きリアルドラムを使用する際、演奏毎に変化を楽しむことができます。

右記のリアルドラムを使用する:現行ソングで特定のリアルドラムを使いたければ、このオプションを有効にし、 [RD] ボタンを押してリアルドラムを選択します。 [消去] ボタンは入力したリアルドラムを消去します。(このオプションはソングの保存オプションダイアログにもあります。)

演奏毎にバリエーションを使用する:リアルドラムは、ドラム楽器のバリエーション(ブラシvsスティック、ハイハットvsライドシンバル、パーカッションのみ等)を持つ場合があります。そのようなリアルドラムを使用する際にこのオプションを有効にすると、ツールバーの演奏ボタンを押す度に、ブラシを使うリアルドラムが聞こえたり、スティックを使うリアルドラムが聞こえます。

ソング/スタイル  選択リアルドラムのデモソングやスタイルを開きます。

リアルドラムフォルダ  リアルドラムフォルダがC:\bb\Drums以外の場合、ここで指定します。

[インストール] [.. ] : リアルドラムフォルダ(C:\bb\Drums)か特定フォルダのWMAファイルを圧縮解凍してWAVファイルを作成します。圧縮解凍すると、ハードディスクの使用領域が増加しますので、十分な空き容量があることを確認してください。

[アーカイブ] [.. ] :  リアルドラムフォルダ(C:\bb\Drums)か特定フォルダにアーカイブ(削除)できるようなWAVファイルがないかを調べます。削除できるのは、WAVに圧縮解除されたWMAファイルが残っている場合です。

[演奏] [停止]: ダイアログを開けたまま、新しい設定でソングを聞くことができます。

リアルドラムの選択

リアルドラムを含むスタイルを選択すると、リアルドラムによってトラックが生成されますが、スタイルに含まれているリアルドラムとは別のものを選択したり、リアルドラムを含まないスタイルでもリアルドラムを使ったりできます。これは、マルチピックライブラリ、またはリアルドラムピックウィンドウを使って行います。この2つは似ていますが、マルチピックライブラリでは他の素材の選択やトラックの部分的生成を行うこともできます。

マルチピックライブラリを使う場合は、ツールバーの【マルチピックライブラリ】ボタン、[F7]キー、[M][Enter]キーのいずれかを使ってウィンドウを開き、【リアルドラム】タブを押します。リアルドラムピックウィンドウを使う場合は、ツールバーの【リアルドラム】ボタンか、[R][D][Enter]キーを使います。

注釈:編集メニュー>個別ウィンドウでなくマルチピックライブラリを開く が有効の場合、リアルドラムウィンドウはマルチピックライブラリで開きます。マルチピックライブラリでは、全タイプの素材の選択やトラックの部分的生成が可能で、さらにウィンドウを開いたまま他の作業を並行して行うこともできるため、こちらのご利用を推奨します。

左上部で宛先トラックを選択し、そのトラックに割り当てるリアルドラムをリストから選択します。

リアルドラムは、オーディオデモで試聴できます。聞きたいリアルドラムをクリックし、【デモ】ボタンを押すか、リストでリアルドラムをダブルクリックします。デモは、初期設定ではバンド(選択リアルドラム+リアルトラック)が先に再生され、続いてソロ(選択リアルドラムだけ)が再生されます。この順番を逆にしたければ、【+】ボタンのメニュー内の「デモボタンを押したらバンドを先に再生する」からチェックを外します。また、【デモ】ボタンの代わりに、【ソロ】または【バンド】ボタンを使ってデモを再生することもできます。

注釈:オーディオデモの再生には、Windowsに標準装備されているWindows Media Playerが使用されます。お使いのコンピュータでWindows Media Playerが無効になっている、またはインストールされていない場合は、Microsoftのサポートサイト等を参考にして有効にするか、再インストールしてください。

左上部のフィルター欄を使って、特定の文字やジャンル、楽器、拍子、リズムのノリ等でリストの表示を絞り込めます。文字入力欄には、複数の文字をタイプすることもできます。(例 Salsa Conga) EverythingPAKに含まれている単独楽器(タンバリンだけ、コンガだけ、等)を探すには文字入力欄にsingleとタイプします。【#】ボタンを押すと、リズムのノリ、テンポ、動画作成、ドラム譜対応等でリストの表示を絞り込めます。

リストは、列の見出しをクリックすることで並べ替えができます。

 

リストでリアルドラムを選択し、「*」の列をクリックすると、そのリアルドラムをお気に入りに設定できます。

「^」の列に表示される^(キャレット)は、リアルドラムにバリエーションがあることを示します。例えばBossaBrushesFull^は、aセクションではブラシでbセクションではスティックを使うドラム、a/bセクション共にブラシを使うドラム、a/bセクション共にスティックを使うドラム、の3つのバリエーションがあります。

「ジャンル」の列には、ジャズやロック、ポップ、カントリー等が表示されます。

「/4」の列には、リアルドラムが4/4拍子の場合は空白ですが、3/4拍子の場合は3が表示されます。

「ノリ」と「8」の列には、リアルドラムのリズムのノリが表示されます。 evはイーブン、swはスウィング、8は8ビート、16は16ビートを示します。

「下」と「上」の列の間の数値でソングのテンポを設定すると最適です。「x」の列には現行ソングのテンポに相応しくないリアルドラムの場合xが表示されます。

「なし」の列になしと表示されるリアルドラムは付属していない(インストールされていない)ため、使うことはできません。 (使うことはできなくても、オーディオデモを試聴することはできます。)

「アーティスト」の列には、リアルドラムの演奏者の名前が表示されます。

「セット」の列では、ドラム譜に対応するリアルドラムにはNtnが表示されます。この列では、動画作成の可否を確認することもできます。

「ステム」の列ではどのリアルドラムが何個のステムを備えていているかが分かります。ステムとはリアルドラムの開発時にドラムキット毎に個々のマイクを使って録音されたドラム素材のことです。リストでステムを備えたリアルドラムをクリックすると、それに含まれているステムがリストの下に表示されます。各ステムのチェックボックスを使って、現行ソングで使うステムを選択(全ステム/特定のステム/ミックスステム)することができます。ステムは別々のトラックに読み込まれますので、各ステムのボリュームやパン等をミキサーウィンドウでコントロールすることができます。

メモ欄には、リストで選択されているリアルドラムの特徴等が表示されます。

アーティスト経歴欄には、リストで選択されているリアルドラムを演奏したアーティストの経歴や実績等が表示されます。

ユーザーメモ欄には、リストで選択されているリアルドラムに対してメモを追加できます。

バリエーション欄には、名前に^が付いているリアルドラムの場合、バリエーションの内容が表示されます。

【設定】ボタンを押すと、リストの表示や現行トラックに対するオプションを選択できます。

 

「MIDIドラムを使用する」を無効にすることで、現行トラックでのリアルドラムの使用を解除できます。

「シンプルに演奏する(フィルしない)」を有効にすると、現行トラックではリアルドラムはシンプルに演奏します。

「タイムベース」を使って、トラックの演奏速度を設定できます。

「付属していなくても表示する」を有効にすると、付属していないリアルドラムもリストに表示されます。付属しているリアルドラムだけを表示するには無効にします。

「異なるノリでも表示する」を有効にすると、現行ソングのノリと違うリアルドラムもリストに表示されます。現行ソングのノリと同じものだけを表示するには無効にします。

「適正テンポ範囲外でも表示する」を有効にすると、現行ソングのテンポに合わないリアルドラムもリストに表示されます。現行ソングのテンポに合うものだけを表示するには無効にします。各リアルドラムの適正テンポはリストの「下」と「上」の列で確認できます。

「お気に入り(*)以外も表示する」を無効にすることで、お気に入りに設定したリアルドラムだけをリストに表示できます。

「ステムがあるリアルドラムを表示する」を有効にすると、ステム対応のリアルドラムがリストに表示されます。

ウィンドウ左下の【設定】ボタンを押すと、リアルドラム設定ダイアログが開きます。

【再構築】ボタンは、C:\bb\Drums フォルダに保存されているリアルドラムを検索してリストを再構築するためのものです。これは古いバージョンからあるボタンで、普通はマルチピックライブラリかスタイルピックウィンドウで素材リストを構築するため、このボタンを押す必要はありません。。

【リストを保存】ボタンを押すと、表示中のリストがメモ帳で表示されます。メモ帳の中身をコピーしてエクセル等に貼り付けることができます。

【試聴】ボタンを押すと、Windows Media Playerが起動し、オーディオデモが再生されます。これは古いバージョンからあるボタンです。オーディオデモの再生は、【デモ】ボタンを使うか、リストでリアルドラムをダブルクリックした方が簡単です。

【演奏】ボタンを押すと、選択リアルドラムによってトラックが生成され、演奏されます。他のトラックも生成するには、[Shift]キーを押しながらボタンを押します。

【停止】ボタンは現行ソングの演奏を停止します。

リアルドラムを選択したら、【適用】、【生成】、【部分生成】のいずれかのボタンを押します。

  • 【適用】:選択したリアルドラムを宛先トラックに適用します。ただし、トラックは生成しません。
  • 【生成】:選択したリアルドラムを宛先トラックに適用すると同時に、トラック全体を生成し、現行位置(コードシートの現行セル)から演奏します。また、[Shift]キーを押しながらこのボタンを押すと、トラック全体が生成され、トラックの最初から演奏されます。
  • 【部分生成】:選択したリアルドラムを使って、トラックの特定範囲を生成します。ボタンを押すと小さなパネルが開くので、範囲を小節単位または小節/拍/ティック単位で指定し、【この範囲に生成】ボタンを押します。

リアルドラムの選択ダイアログ

リアルドラムは、マルチピックライブラリやリアルドラムピックウィンドウの他にも、シンプルなダイアログでも選択できます。

このダイアログを開くには、画面上部またはミキサーウィンドウのドラムトラックボタンを押し、表示されるメニューから「リアルドラムの選択(シンプルダイアログ)」を選択します。または、[R][D][3][Enter]キーを押します。

ダイアログではバリエーション版は個別のリアルドラムとして表示されます。【スタイル:XXXX.STY】ボタンを押すと、現行スタイルに合うリアルドラムが表示されます。【ドラム:XXXX】ボタンを押すと、リストで選択しているリアルドラムに似ているリアルドラムが表示されます。

マルチドラム

マルチドラムには、複数のリアルドラムやループ素材、リアルトラック、ユーザートラック等が組み込まれています。

マルチドラムの選択

画面上部またはミキサーウィンドウのドラムトラックボタンを右クリックし、表示されるメニューで、マルチドラムを選択>既存マルチドラムを選択に進むと、既に作成したマルチドラムや付属のマルチドラムを選択できます。

マルチドラムの作成

画面上部またはミキサーウィンドウのドラムトラックボタンを右クリックし、表示されるメニューで、マルチドラムを選択>マルチドラムを作成・編集に進むと、現行ソングで使うためのマルチドラムを作成できます。既にマルチドラムが選択されている場合は、その内容を編集できます。

まず、「機能を有効にする」にチェックを入れ、マルチドラムに取り入れる素材を「素材の選択」欄で選択します。そして、「マルチドラムの名前」の欄に名前を英語でタイプし、【OK】ボタンを押します。

dB調整:各素材のボリュームを調整することができます。

[ソングにエクスポート]:現行の選択や設定を現行ソング用の「マルチドラムの作成」ダイアログにコピーします。

[ソングからインポート]:現行ソングにマルチドラムが存在する場合、その選択や設定を現行スタイル用に取り入れます。(注釈: [ソングにエクスポート] と [ソングからインポート] のボタンはスタイルメーカーからダイアログを開いた場合に使えます。)

[スタイルにエクスポート]:現行の選択や設定を現行スタイル用の「マルチドラムの作成」ダイアログにコピーします。

[スタイルからインポート]:現行スタイルにマルチドラムが存在する場合、その選択や設定を現行のソング用に取り入れます。(注釈: [スタイルにエクスポート] と [スタイルからインポート] のボタンはは画面上部のドラムトラックボタンからダイアログを開いた場合に使えます。)

[ドラムフォルダにエクスポート]:現行の選択や設定によるマルチドラムを Drums フォルダに保存します。このフォルダに保存すると、マルチドラムがリアルドラムピックウィンドウとマルチドラムの選択ダイアログに表示され、他のリアルドラムと同じように選択できるようになります。

[ドラムフォルダにインポート]: Drumsフォルダに保存されているマルチドラムを読み込みます。

ユーザートラック

リアルトラックは、プロのミュージシャンの演奏を録音したオーディオデータで構成されていますが、ユーザートラックは、文字どおりユーザー(貴方自身またはユーザー仲間) の演奏を録音したオーディオデータで構成されています。 Band-in-a-Box 等のDAWプログラムで楽器の演奏を録音し、簡単な指示に従ってファイルとフォルダを作成すると、リアルトラックのように扱うことができます。

ユーザートラックの選択

ユーザートラックは、マルチピックライブラリ、またはユーザートラックの選択ダイアログで選択します。どちらを使ってもかまいませんが、マルチピックライブラリでは、リストの並べ替えや、トラックの部分的生成等を活用できます。

マルチピックライブラリを使う場合は、ツールバーの【マルチピックライブラリ】ボタン、[F7]キー、[M][Enter]キーのいずれかを使ってウィンドウを開き、【ユーザー】タブを押します。ユーザートラックの選択ダイアログを使う場合は、ツールバーの【ユーザートラック】ボタンを押します。

注釈:編集メニュー>個別ウィンドウでなくマルチピックライブラリを開く が有効の場合、ユーザートラックの選択ダイアログを開こうとすると、ユーザートラックの選択が準備されたマルチピックライブラリが開きます。マルチピックライブラリでは、全タイプの素材の選択やトラックの部分的生成が可能で、さらにウィンドウを開いたまま他の作業を並行して行うこともできるため、こちらのご利用を推奨します。

 

いずれのウィンドウでも、宛先トラックとそのトラックに割り当てるユーザートラックを選択します。そして、マルチピックライブラリでは【生成】または【部分生成】ボタンを押します。ユーザートラックの選択ダイアログの場合は、【OK】ボタンを押した後に[F4]キーを押すと、トラック全体が生成されます。 

備考:リストには C:\bb\RealTracks\UserTracksに保存されているフォルダの名前が表示されます。このフォルダにはソングファイル(.SGU)とオーディオファイル(.WAV/.WMA) のペアが最低一組保存されています。ここに、ユーザー仲間が作ったリアルトラックを加えることができます。まず、ユーザートラックフォルダ (.SGUと.WAV/.WMAのペアを最低一組含むもの) をZIPに圧縮して送ってもらいます。または、PG Musicのユーザートラックフォーラムに寄せられたファイルをダウンロードします。そして、それをUserTracksフォルダ(\bb\RealTracks\UserTracks)に解凍します。ユーザートラックの選択ダイアログを開くと、追加したフォルダが反映されます。

ユーザートラックの作成

基本的な作成手順は下記の通りです。

1. UserTracksフォルダ(C:\bRealTracks\UserTracks)に新しいフォルダを作り、名前を付けます。(フォルダ名がユーザートラックの名前となります。)

2. そのフォルダにソングファイル(.SGU)を最低一曲保存します。このファイルにはいろんなタイプのいろんなコードを含めるようにしてください。

3. 各ソングファイルと同じ名前のオーディオファイル(.WAVか.WMA)を保存します。オーディオファイルは、対応するソングファイルと同じテンポ、同じコード進行の元で、楽器演奏を収録します。どんなDAWプログラム(Band-in-a-Box、RealBand、Sonar、Pro Tools等)で作成しても構いませんが、最初に2小節のリードインを含めてください。

ユーザートラックの作成方法の中で最も簡単なのは付属のテンプレートフォルダを使うことです。このフォルダに保存された1分間のテンプレートソングを Band-in-a-Box で聞きながら楽器を演奏して録音します。

[手順1. テンプレートを確認] まず、テンプレートフォルダUserTracks Templatesを確認します。このフォルダは普通、C:\bb\RealTracks\UserTracks\UserTracks Templatesに保存されています。もしなければ、http://www.pgmusic.com/usertracks1.htmから.zipファイルをダウンロードしてC:\bb\RealTracks\UserTracks\ に解凍します。そして、このフォルダにソングファイルが保存されていることを確認します。

[手順2. 作成するユーザートラックの名前を決める] テンプレートフォルダのコピーを作り、名前を付けます。名前の規則はありませんが、これがユーザートラックの名前となりますので、ジャンルや楽器名を含めることをお勧めします。演奏者の名前や演奏の特徴、リズムのノリ、テンポ等を含めても構いません。日本語でも大丈夫です。

[手順3. Band-in-a-Box を起動し、ソングファイルを開く] ステップ2で作成したフォルダからソングファイルを開きます。ポップ、ロック、カントリーを作成する場合は Song_1m_Pop_1.SGUを、ジャズを作成する場合はSong_1m_Jazz_1.SGUを使います。ファイルを開くと、自動的にスタイルとテンポが設定されますが、作成するユーザートラックに合わせて、スタイルやテンポを変えてください。テンポをそのままにすると全体の長さは約1分、これより遅くすると長くなり、速くすると短くなります。

[手順4. 楽器の演奏を録音]  ツールバーの【オーディオ録音】ボタンを押します。オーディオの録音ダイアログが開いたら、【録音開始】ボタンを押し、楽器の演奏を録音します。マイクを使う場合、スピーカーから出るBand-in-a-Box の演奏がマイクを通して録音されてしまわないよう、ヘッドホンを付けてください。エレキギターやエレキベース等をコンピュータにつないで録音する場合はヘッドホンを付ける必要はありません。録音終了を知らせるダイアログが開いたら、【録音を採用する】ボタンを押します。気に入らなければ、録音をやり直してもかまいません。録音を確定した後でも、オーディオの録音ダイアログに戻って、パンチイン機能を使って特定範囲をやり直すこともできます。

[手順5. ソングを保存 (.SGUと.WAVファイルを保存)] ツールバーの [上書き保存] ボタンを押すと、ソングが保存されると同時に、同じ名前のオーディオファイルが保存されます。両ファイルの名前が同じである限り、名前を付け変えても構いません。

同じフォルダに.SGUと.WAVのペアを複数保存することで、ユーザートラックを磨き上げることができます。

上記の方法で作成したユーザートラックには限られたコードタイプしか使われていません。例えばポップのテンプレートソングでは殆どメジャートライアドとマイナートライアドです。この為、ユーザートラックを実際に使う際、ユーザーが入力したEm9のコードはEmで弾かれてしまいます。しかし、様々なコードを含むファイルを用意しておくと、Em9のコードをユーザートラックはEm9で弾くことができます。

また、フォルダに.SGUと.WAVのペアが一組しかない場合、同じリフ(フレーズ)が繰り返される可能性があります。しかし、ペアをたくさん用意しておくと、これを阻止できます。利点は他にもたくさんありますが、ペアが多いほどより上質なユーザートラックを追及できます。基本的なユーザートラックでは物足りないと思われる方はペアをたくさん作成してください。

現行小節の設定ダイアログの [ユーザートラック生成の設定] ボタンを押すと、作成中のユーザートラックに関する細かい設定を行うことできます。ユーザートラックをソングに取り入れる際に特定小節のリフ(フレーズ)の扱い方を設定したり、その位置を微調整したりすることができます。


ユーザートラックに含めない:有効にすると、現行小節のフレーズはユーザートラックから除外され、この部分のフレーズは演奏されません。
エンディングで開始する:有効にすると、現行小節のフレーズはエンディング部分で開始します。
フレーズの始まりとして使わない:有効にすると、現行小節はフレーズの始まりとして使用されません。この小節で前の小節から音が持続していたり音がなかったりする場合に適した設定です。
小節の頭でフレーズを終えない:有効にすると、現行小節の頭ではフレーズが終わりません。前の小節に明確なエンディングがない場合に適した設定です。
シンプルなフレーズとして使う:有効にすると、現行小節のフレーズはシンプルなフレーズとして見なされ、ソングをシンプルに演奏する場合に優先的に使用されます。
フィル小節として使う:有効にすると、現行小節はフィル小節として見なされ、ソングに取り入れる際、フィルの部分で使われます。
フィル小節の後で使う:有効にすると、現行小節はフィル小節の後の小節として見なされ、ソングに取り入れる際、フィル小節の後で使われます。
奇数/偶数状態が同じなら使う:有効にすると、現行小節のフレーズは、実際のソングにおいて奇数/偶数状態(パートマーカーから数えた小節の数)が同じなら使われます。
一致する限り常に使う:有効にすると、現行小節のフレーズは、実際のソングにおいてコードや他の設定が一致する限り常に使用されます。他のフレーズを上書きします。
一度だけ使う(繰り返し使わない):有効にすると、現行小節のフレーズは、ソングに取り入れる際、一度のみ使用されます。この部分のフレーズがかなり変わっていて、聞くのは一度で十分という場合に適用すると便利です。
マーカー(拍の線上で始まらないフレーズの調整):フレーズが拍の線上できっちり始まらない場合に設定します。フレーズの開始/終了位置を示すマーカーの位置とそのタイプを設定します。1拍目フレーズは小節全体で使われます。プッシュがある場合は最高2拍早く始められます。2拍目か4拍目フレーズは1拍分続き、3拍目フレーズは2拍分続きます。フレーズが拍の線上できっちり始まらない場合はミリ秒単位で調整できます。例えば -50 にすると、フレーズは拍より50ms早い地点で開始します。

ループ

オーディオループ (自然の音やドラムビート、ギターリフ等) を使ってトラックを生成できます。

ループを含むスタイルを選択すると、ループによってトラックが生成されますが、スタイルに含まれているループとは別のものを選択したり、ループを含まないスタイルでもループを使ったりできます。これは、マルチピックライブラリ、またはリアルドラムピックウィンドウを使って行います。どちらを使ってもかまいませんが、マルチピックライブラリでは、リストの並べ替えや、トラックの部分的生成等を活用できます。

マルチピックライブラリを使う場合は、ツールバーの【マルチピックライブラリ】ボタン、[F7]キー、[M][Enter]キーのいずれかを使ってウィンドウを開き、【ループ】タブを押します。ループの選択ダイアログを使う場合は、ツールバーの【ループ】ボタンか、[R][L][Enter]キーを使います。

どちらかを開いたら、宛先トラックとそのトラックに割り当てるループを選択します。そして、マルチピックライブラリでは、【生成】または【部分生成】ボタンを押します。ループの選択ダイアログの場合は、【OK】ボタンを押した後に[F4]キーを押すと、トラック全体が生成されます。

豆知識:ループのリストには、C:\bb\RealTracks\Loops に保存されているオーディオファイルが表示されます。 このフォルダには付属のループ(自然の音やドラムビート、ギターリフ等)が1000個以上保存されていますが、インターネット等で無料配布されているループや自分で作成したオーディオファイルを追加してもかまいません。。

ループの選択ダイアログのオプション

[選択なし]:選択を解除し、「ループ選択なし」に設定します。このボタンを使うと、リストの下の方のループを選択している際、スクロールするより早く選択を解除することができます。

[試聴]:再生プレイヤーを開いてループを再生します。

[名前変更]  [複製]:ループの名前を変更したり、複製を作成することができます。複製を用意すると、元のループには手を加えず、複製した方の設定を変えてバリエーション版を作ることができます。

繰り返す:ループを最後まで再生したら最初に戻って再生するにはを有効にします。

巻き戻し地点:自然音の場合、初期設定(ソング終了後)にします。ドラムビートの場合、指定する地点(数小節後、コード変更後、パートマーカー変更後等)で巻き戻すことができます。

ボリューム調整:ループのボリュームが他の伴奏トラックのボリュームと合わなければ調整します。

テンポ調整:自然音以外のループ(ドラムビートやギターリフ等)を選ぶ際は有効にし、ループの実際の「テンポ」と「拍子」を指定します。数値が分からなければ0にします。付属のループやACIDデータを含むループを選ぶと、自動的に入力されます。

移調:自然音の場合は有効にする必要はありませんが、旋律的なループの場合、ソングのコードかキーに移調することができます。有効にし、オーディオファイルの「コードのルート」と「移調方法」を選びます。

タイムベース:指定のタイムベース(半分、二倍、三倍)でループを演奏することができます。

bのループ:パートマーカー毎にループを選択することができます。

[フォルダを開く]:フォルダを開いて、ループの存在を確認したり、ループを追加することができます。

[更新]:ダイアログを開いている間に Loops フォルダにループを追加・削除した場合、ボタンを押して変更を適用します。

[入手] : インターネットブラウザを起動し、無料でループを公開配布しているサイトを検索します。「Free Loops」の文字によって英語のサイトが検索されます。日本語のサイトを探すには、「ループ」「無料」「フリー」「効果音」「自然音」等の文字を使って検索してください。

オーディオリバーブ

リアルトラック設定ダイアログの「リバーブを適用する」を有効にすると、リアルトラックにリバーブがかかり、ますます臨場感あふれる演奏を楽しむことができます。その適用度合を指定することもできます。例えばリバーブの値が40の際に適用度合を75%にすると、30(40の75%)の値が適用されます。

各トラックのリバーブの値はミキサーウィンドウで設定することができます。

リバーブのタイプを変更するには、ツールバーの [プラグイン] ボタンを押し、表示されるメニューの「オーディオリバーブ」を選択してダイアログを開きます。

豆知識:このダイアログの設定は \bb\DX Settings\PGReverbSettings.bin に記録されます。

全般的にリバーブを適用するには「有効(全般)」にチェックを入れます。現行ソングでは適用したくなければ、「有効(現行ソング)」からチェックを外します。リバーブを適用すると、臨場感あふれるサウンドを得ることができますが、リバーブはCPUパワーを消費する為、場合によってはコンピュータが全体的に鈍くなる場合があることをご留意ください。

プリディレイとは リバーブがかかっていない原音からリバーブがかかったエフェクト音が鳴るまでの時間です。0~100ミリ秒の範囲で設定します。

ディケイとはエフェクト音が減衰していく時間のことです。部屋が広い程、ディケイは長くなります。500~5000ミリ秒の範囲で設定します。

LFとは低音域ロールオフのことです。リバーブが減衰していくと同時に減衰していく低音域周波を50~500 Hzの範囲で設定します。

HFとは 高音域ロールオフのことです。リバーブが減衰していくと同時に減衰していく高音域周波を1~11 KHzの範囲で設定します。

デンシティとは リバーブの減衰部分の低域の密度のことです。数値を高くすると、反射音の音量が滑らかに減衰していきます。

レベル欄では全体の音量を調整できます。

[小ルーム]ボタンは小さい部屋における音響を再現します。プリディレイとディケイの値を低く、デンシティの値を高く設定します。

[中ルーム]ボタンは中位の部屋における音響を再現します。プリディレイとディケイの値を小さい部屋に比べて少し高く設定します。

[大ルーム]ボタンは広い部屋における音響を再現します。プリディレイとディケイの値を中位に設定します。

[ホール]ボタンは劇場やコンサート会場等における音響を再現します。プリディレイの値を最大にし、デンシティの値を中位に設定します。

[アリーナ]ボタンは 競技場等における音響を再現します。プリディレイとディケイの値を最大にし、デンシティの値を低く設定します。

[切り替え “…”] ボタンを使って、現行の設定を変更前の設定(または、ボタンに表示された設定)に切り替えることができます。ボタンを押すと、各パラメータがリセットされますので、元の設定と新しい設定の聞き比べができます。

ダイアログで設定したリバーブのタイプをユーザープリセットとして保存したければ、まず、「プリセット名」欄に名前をタイプします。 そして、赤い上向きボタンを押し、保存番号を選びます。確認ダイアログが表示されますので [はい] と答えます。 保存したプリセットは緑の下向きボタンを使って呼び出すことができます。

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